看護師を含めた医療従事者は、常に様々な感染症になる危険性を伴っています。そのため医療機関で勤務するスタッフが危険な目に遭わないよう、雇用側の施設は感染予防を行う義務があります。
医療機関で行う感染予防は手洗いやマスク着用等の基本的な予防の他、消毒剤を使った清掃、防護服の着用などを行っています。
施設の掃除の際は、一般的によく使うホウキ、雑巾などに消毒剤を付けて掃除するのではなく、消毒剤が入った使い捨てワイパー等を利用して、不特定多数の人が触れる場所を拭くことが常識です。
防護服の着用の際は、液体がしみ込む布製の衣類ではなく、防水性に優れた衣類の着用が一般的です。感染症予防で使う防護服は使い捨ての物を利用し、個々の患者別に交換することになっています。
感染対策では、防護服の扱いが特に重要です。患者別に交換するだけでなく、同じ患者に接する場合でも体液や傷がある皮膚などに触れる処置を行うと、その直後に着替えることになっています。
全ての医療従事者は感染予防の一環としてマスクを着用しますが、これは自分自身が病原体を吸い込まないようにするだけでなく、自分自身からも病原体を周囲に排出しないようにすることも兼ねています。
その他の感染予防として、職員の健康管理の一環としてインフルエンザなど、流行性ウィルス疾患の予防接種を受け、これらの感染症に罹患しないようにすることが挙げられます。ほとんどの医療機関で勤務する医療従事者の予防接種は行われていますが、職業感染発生への対策として体制を整えられるよう、啓発が広がっています。